子どもたちが向き合う病気や治療の不安
あらかじめ子どもたちに病気や検査、治療のことをわかりやすく説明し、不安や恐怖を少しでもやわらげようという医療現場の取り組みを「プレパレーション」といいます。
パラマウントベッドではNPO法人チア・アートと共同で、小児医療における療養環境の課題について共同研究を行い、そのなかで「プレパレーション」の重要性とともに、この取り組みを現場で行う難しさに直面しました。
小児医療と一口に言っても、子どもたちの病状や治療方法・年齢・性格はさまざまです。
またプレパレーション自体に決まりがあるわけではなく、それを行う医療スタッフにとってもなかなか取り組みにくいという問題もありました。

はじめてでも取り組みやすいプレパレーションツールの開発
パラマウントベッドのデザイナーとチア・アートは議論と試行錯誤を重ね、多様な子どもたちに対し初めての看護師でも分かりやすくプレパレーションが行える支援ツール「ぷれパレット」を制作しました。
幼児期の子どもにも受け入れられるテイストのイラストを使い、とびだす絵本のような雰囲気と遊びの要素を取り入れたデザインとなっています。

男の子/女の子の人形と、院内環境をイメージしやすい3種類<手術・検査・処置>の背景カード、さらにそれぞれの検査や治療の説明のための14種類のアイテムがあり、これらを組み合わせて説明を行います。
移動に不安を感じやすい子どもが多いので「ストレッチャー」や、腰椎穿刺(ようついせんし)の説明などに使用できる「丸まった姿勢」があります。これらは言葉だけでは表現が難しく、このツールがあることでスムーズに説明が行えるようになりました。
アイテムの絞り込み、イラストのテイストやジェンダーの表現、医療器具デザインには細心の注意を払い、試作と現場での検証、専門家からのアドバイスをもとにブラッシュアップを繰り返しました。


(右)男の子/女の子、看護師の人形
細部にまで気を配って作っている
主体的に向き合い、共に乗り越える
「ぷれパレット」本体はA3サイズ2つ折りで、使わないときはコンパクトに収納できます。持ち手付きで素早く持ち運ぶことができ、とびだす絵本のように簡単にセッティングできます。これは遊びの要素を取り入れ、子どもたちに興味を持ってもらうという目的だけでなく、忙しい医療スタッフでも簡単に取り組みできるようにという開発者の想いの表れです。
病気や治療を控えた子どもたちのためのココロの準備ツール「ぷれパレット」は、医療関係者の方々に無償提供を行っています。子どもたちが主体的に病気や治療と向き合い乗り越えるために、少しでも手助けになればと考えています。

「ぷれパレット」は医療関係者の方々へ無料でお配りしております。送付ご希望の方は下記「お申込みフォーム」より、必要事項記載の上お申し込みください。