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2026.07.13 UPDATE!
WELL-BEING for children

将来にわたる豊かさと安心について、“ファイナンシャル”と“企業の視点”で考える。
——Well-being シンポジウム2026

2026年5月15日、生命保険協会が主催する『Well-being シンポジウム~未来を創る"豊かさ"と安心のかたち~』が、東京原宿のWITH HARAJUKU HLLにて開催されました。基調講演や3つのクロストークを通じて、「Well-being」という言葉の広がりと、企業がそこに向き合う意味が語られました。「WELL-BEING for 〜」編集部も会場に足を運び、ウェルビーイングについての理解を深める一日となりました。

より実践的なWell-beingを語る一日

生命保険協会は近年、SDGs推進やサステナビリティ活動を強化しており、
・健康寿命の延伸
・金融ウェルビーイング(Financial Well-being)
・持続可能な社会
・人生100年時代の安心
といったテーマを継続的に扱ってきました。
2022年には「SDGsシンポジウム」を開催。そして今年、第1回目となる『Well-being シンポジウム』が開かれました。

シンポジウムでは基調講演や3つのクロストークを通して、「Well-being」という言葉の広がりと、生命保険協会ならではの「ファイナンシャル・ウェルビーイング(お金の安心をどう再定義するか)」、さらに「企業における従業員のWell-being」という、より具体的で実践的なテーマについて語られる一日となりました。

開演前のWITH HARAJUKU HALL
会場となったWITH HARAJUKU HALL

開会にあたり、生命保険協会会長の佐々木豊成氏が挨拶に立ち、さらに来賓として金融庁長官の伊藤豊氏が登壇しました。

伊藤長官は、日本における平均寿命と健康寿命の差が約10年と、他国に比べて顕著である点を挙げ、「ウェルビーイングは、個人としても社会全体としても追求する価値のあるテーマだ」と語りました。

続く基調講演「Well-beingとは何か~未来を見据えたWell-beingの理解と挑戦~」には、Well-being研究の第一人者である前野 隆司氏(武蔵野大学ウェルビーイング学部長・教授)が登壇。「Well-being」という言葉が16世紀のイタリア語「benessere」に遡るという説や、1946年のWHO憲章における健康の定義にこの言葉が用いられていたことなど、その歴史を紹介しました。

特に印象的だったのは、お金やモノ、社会的地位など「他人と比べられる財」によってもたらされる幸せ(地位財型)は長続きしない一方、安全・環境・心的要因など「比べられない価値」によってもたらされる幸せ(非地位財型)は長続きするという指摘です。20世紀はGDPの成長と個人の幸福度が連動していましたが、21世紀に入ってその関係性が崩れたことが、Well-beingという概念が注目される背景にあるといいます。

続く3つのクロストークでは、それぞれ
クロストーク①「よりよい生き方ってどういうこと?~正解のない時代に、“幸せ”をどう選び取るか?~」
クロストーク②「生命保険と Financial Well-being~“お金の安心”をどう再定義するか?~」
クロストーク③「企業における Well-being の実践~個人の幸せと企業価値の両立をどう実現するか?~ 」
をテーマに、登壇者が、自身の研究や企業活動、経験を通して得られた具体的で実践的なトピックに触れながら語り合いました。
トークテーマによっては、会場参加者と配信視聴者に向けたアンケートがウェブを通じてリアルタイムに実施され、活きたアンケート結果を見ながらトークが進むという場面もありました。

ホワイエでの会場展示では、一人ひとりが「自身のWELL-BEING」を考えるための“仕掛け”も

会場となった東京原宿のWITH HARAJUKU HALLでは、シンポジウムの関連企画として様々な展示が行われていました。

今シンポジウムの登壇者には、ウェルビーイングアワード審査員長である前野 隆司 武蔵野大学ウェルビーイング学部長や、同じく審査委員長である宮田 裕章 慶應義塾大学医学部教授 といったお名前もあり、関連してウェルビーイングアワード受賞者のパネルが展示されていました。もちろんパラマウントベッド株式会社(組織・チーム部門GOLD受賞)や同社Tsubaki Project(モノ・サービス部門GOLD受賞)のパネルもありました。

WITH HARAJUKU HALLの明るいホワイエでの展示風景。来場者はまずこの展示に触れてから、会場ホールに入場する
Well-being シンポジウム2026会場のホワイエ展示。
「生命保険業界のWell-being Action」や、
ウェルビーイングアワード2026受賞者のパネル展示も
あそぶ=黄色、はたらく=赤、みらい=青、休む=緑、と、それぞれのテーマカラーで彩られた「Well-being価値観カード」
来場者用のカードホルダーに入れて持って帰れる
会場ホワイエで行われていた
「Well-beingな生き方を考える展」。
“はたらく”、“やすむ”、“あそぶ”、“みらい”という
4つの切り口で色分けされた
ウェルビーイングな価値観が描かれたカード。
これらは当シンポジウム登壇者が挙げたもの。
壁面のパネルには登壇者のコメントが書かれている。
来場者は好きな価値観のカードをセレクトして「自分だけのWell-beingレシピ」として持ち帰れる仕組み

印象に残った「企業における従業員のWell-being」

WELL-BEINGという言葉は指す意味や範囲が広く、何かが「より良い」状態であれば「それはウェルビーイングだ」と言って差し支えありません。特に個人の生活や活動においては、それぞれが自由に「WELL-BEING」を定義し、むしろ一つの正解を決めつけないことこそがこの言葉の本質だとも言えます。
一方で「企業活動における従業員のWell-being」となると、企業活動が利益を求める前提であるために、「誰か、何かがより良い状態であればよい」という、個々人のWELL-BEINGを議論するだけでは収まらなくなる恐れがあります。

まさにこの点を議論の中心に据えたクロストーク③ は、とても考えさせられる内容でした。
従業員個々人のウェルビーイングと、全員のことを同時に考えないといけない組織のウェルビーイング、そして企業としての利益や価値観。時に相反するこれらをどう企業経営の視点に取り込むのか。
限られた時間では当然答えの出ないこれらの議論は、企業の経営層だけでなく当編集部員も含めた従業員ひとりひとりも問い続けるべき問題であると、あらためて考えさせられました。
クロストークの司会者、予防医学研究者でありWell-being for Planet Earth 代表理事でもある石川 善樹さんの次の言葉が印象に残っています。

新しい言葉ができるのはなぜか?
なにか既存の言葉ではドンピシャにこなくなっているという背景がある。なにかがずれている、なにか表せない領域がある。Well-beingという言葉は、求められる背景があって「出て」きた。
そしていま、Well-beingというワードが経営のど真ん中にきている。これはまさに経営にイノベーションが求められているということなのではないか。