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2026.08.04 UPDATE!
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国内トップメーカーがアジア市場とどう向き合うのか
——国際モダンホスピタルショウ2026特別シンポジウムに、加藤国際営業本部長が登壇

7月8日〜10日に東京ビッグサイトで開催された「国際モダンホスピタルショウ2026」の特別シンポジウム「日本の医療・サービスを支える企業が、今アジアに進出する最新事例とこれから」に、パラマウントベッド執行役員の加藤良二郎 国際営業本部長が登壇。日本の医療インフラ企業がアジア諸国でどのような課題に立ち向かっているのか。シンポジウムでの加藤氏の講演についてのレポートです。

“日本発”は本当に必要とされているのか。強みと課題を議論する

国内最大級の医療・福祉分野の総合展示会「国際モダンホスピタルショウ2026(第53回)」が、2026年7月8日(水)〜10日(金)、東京ビッグサイトにて開催されました。
医療機器・看護支援・介護・医療情報システムなど幅広い分野の最新製品・サービスが集結し、約3万人の来場者が訪れました。主催は一般社団法人 日本病院会と一般社団法人 日本経営協会。1974年の初回開催から半世紀以上にわたり、医療・福祉分野における情報交流と技術革新の場として発展し続けてきた、歴史ある展示会です。

国際モダンホスピタルショウ2026の会場東京ビッグサイト
国際モダンホスピタルショウ2026の会場東京ビッグサイト。様々な企業が出展
開催された国際モダンホスピタルショウ2026の会場。
医療機器・看護支援・介護・医療情報システムなど
幅広い分野の最新製品・サービスが集結し、
約3万人の来場者が訪れた

同ショウでは展示に加え、シンポジウムやセミナーも多数開催されました。
7月9日に開催された特別シンポジウム「日本の医療・サービスを支える企業が、今アジアに進出する最新事例とこれから」では、アジア市場で事業展開を進める企業のキーパーソンが登壇し、最前線の取り組みと展望が語り合われました。

成長を続けるアジア各国では医療・介護・ヘルスケアへのニーズが急速に高まっており、日本発の技術とサービスへの期待も大きくなっています。そのような背景のなか、“日本発” の技術やサービスはどのように機能し、またどのような課題があるのか。
パラマウントベッドからは、同社執行役員 加藤良二郎 国際営業本部長が登壇。国内トップメーカーがアジア市場とどう向き合い、どのような成果を上げているか、そしてどのような未来を描いているのか。実際の事例とともに講演しました。

「パラマウントベッドのベッドは、ボルトやナットの多くが特注なんです。それがインドで使えなくなった」

シンポジウムの講演にはパラマウントベッドを含め、計4社が登壇しました。
いずれの講演にも共通したのは、「日本型」の技術やサービスをそのまま海外市場に持ち込むことの困難さと課題、そしてその経験を元に、いかに現地のニーズに対応しながら事業展開を行ったのか、でした。また「アジア市場」と一口に言っても、インドネシア、中国、ベトナム…といった地域ごとの気候風土や政治体制、法制度が違います。その違いや対処についての議論も印象的でした。

講演の様子。スライドを使い、実例を交えて講演
特別シンポジウムで講演するパラマウントベッド
加藤良二郎 国際営業本部長

加藤さんの講演テーマは「パラマウントベッド 〜国際展開の歩みと現在〜」。
まずパラマウントベッドの沿革、国内そして海外拠点での歩みが紹介され、続いてアジア仕様における事業展開について、インドネシア、インド、中国での実例を交えて紹介されました。
話題は現地の気候への対応や関税交渉、紛争による需要変動にまで多岐に渡りました。
特にこの10年で加速した各国での「国産品優先政策」と、その対策としての生産・調達戦略の見直しの具体例は、講演後のトークセッションでも大きな関心事となっていました。

印象深かったのはインドでの事例です。
パラマウントベッドのベッド製造に使用する締結部品(ボルト・ナットなど)は多くが特注で、海外工場で製造する際にも締結部品は日本から「輸入」していたということです。ところがインド政府が進める「Make in India」政策では国内製造・原産地比率が重視され、それは締結部品にも求められることに。
そこで、品質をクリアする現地サプライヤーを探し、ボルトやナットの特注部品を現地調達する体制を整えたということです。
現在では締結部品だけでなく、マットレスカバーなど、現地調達品は多岐に渡っているそうです。

講演の最後に紹介されたのは、3Dプリント技術を活用した義肢装具(義足・義手と、装具)の話題でした。
トピックのテーマは「新たな価値創造への挑戦」。
日本の3Dプリント義肢装具を製造するスタートアップ企業「インスタリム」社とパートナーシップを結び、パラマウントベッドブランドの製品としてインドネシア、タイ、ベトナムで事業展開するというものです。
ASEAN諸国、とりわけインドネシアでは、糖尿病やバイク事故が原因で40万人ほどが「脚のない状態」だということです。これまでの石膏と人手による製造に比べ、納期と価格を大幅に抑えた3Dプリント義肢装具製造によって、5年間で15万5000人に義足を提供するという目標が掲げられています。

すでに信頼される医療インフラ企業としてASEAN諸国での事業基盤があるパラマウントベッドが、日本発の技術を起点として、社会課題解決に挑む。
既存の製品やサービスに加え、新たな価値と持続可能な医療提供モデルを提供しようとする試みに、会場参加者からは大きな関心が寄せられていました。

"すべての人のウェルビーイング"という言葉の射程が、アジアへと広がっていく——そんな予感を、この講演で抱きました。