“自分の生き方”をテーマとしたカリキュラムの一環として「睡眠の大切さ」を学ぶ
パラマウントベッドが開発・提供している「睡眠の大切さ」を中学生向け教材パッケージ。保健体育のカリキュラムの一部として、あるいはホームルームや特別授業などの教材として使われています。
今回参観させていただいた相模女子大学中学部では、「自分の生き方」について学ぶ相模女子独自のカリキュラム「マーガレットタイム」の一環として授業が行われました。
3つのテーマを通して命を学び、豊かな感性を育むカリキュラムです。 「観る」「聴く」「読む」だけでなく、自ら「調べる」「ふれる」を経験し、さらに「話す」「表現する」ことを通して、自分自身が「かけがえのないただ一人のわたし」であることを実感します。
・1年生 「わたし」と出会う
・2年生 「自然」と出会う
・3年生 「未来」と出会う
〜相模女子大学中等部・高等部 ウェブサイトより〜
「マーガレットタイム」1年生の授業の目的として「『わたし』と出会う -自我の確立の過渡期において、自分と他者の違いに不安を抱き、自信を失いがちになる1年生。誕生学講座で生命誕生の神秘にふれ、ドリームマップづくりで、将来に向き合います。-」と謳われています。
今回の授業を企画された相模女子大学中学部の堤真美先生は、この授業の狙いについて、生徒にこう伝えています。
①自身の睡眠の在り方を振り返るとともに、中学生にとって適切な睡眠について知る。
②睡眠で得られる効果を知り、日中の生活や自身のパフォーマンスとの関係について考える。
③理想的な睡眠をとるために、日中の過ごし方や時間の使い方を考え、なりたい自分を目指す。

ストーリーがあって、質・量とも充実している教材データはありがたい
授業はスライド1枚目の<中学生の睡眠時間、何時間必要?>という問いかけから始まります。
「7時間!」
「わたし5時間(笑)」
「6時間!」
生徒がそれぞれの答えを口々にします。だいたいの意見が出揃うと、堤先生が「では、正解です・・・」と次のスライドを映します。
「こたえ 約9時間」
「えええーー!」
「では、この中で9時間寝れているひと!」
はい、はいっと数人の手がまばらに挙がりました。
「少ないですねえ、みなさん、睡眠がちゃんと足りていないんです」
その後も授業は用意された台本に沿って進んでいきます。就寝時間と起床時間どっちが大事か?
起こりやすい・太りやすい、睡眠時間が関係するのはどっち?
「良い睡眠」とはなんなのか?
生徒たちの関心があるテーマが続き、先生が問いかけ、生徒たちがそれに答える形で「睡眠」に対する理解が深まっていきます。
前半が終了し、先生独自のワークシートに生徒がその場で考えたことを記入する時間になります。このシートはパッケージに付随するものをベースに先生が同校のカリキュラムに合わせて独自に構成をし直したもので、アンケート形式になっています。

今回の授業は、パラマウントベッドの教材をベースにしながらも、ところどころ堤先生独自のアンケート調査(授業を受ける生徒から事前に集計されたもの)を挿入したり、話の流れに沿ってスライドを一部組み替えたりと、堤先生オリジナルの構成で進められました。これは「『わたし』と出会う」 というマーガレットタイムカリキュラムの一環として授業を企画した意図を反映させるためのものです。このように先生が授業をしやすいように教材の一部を独自の構成に変えることも可能です。
授業後、堤先生は教材について次のように評価されました。
「授業用のファイルがデータになっていて、しかもスライドのパワーポイントと動画が別々になっていたりして、自分で組み替えられるのがとても便利です。時間も読みやすいですし。実は教師はセリフは作れるんです。でもこうして客観的なデータや図などを探して自分で教材にして・・・という作業はものすごく大変。今回の教材のようにストーリーがあって、質・量とも充実している素材はすごくありがたいんです」

自己実現、自己肯定について考える時間
授業で2回投影される動画では、少し踏み込んだ睡眠科学の内容や「良い睡眠」にとって必要な事柄が、狸沢くんと猫山さん、羊村先生といったオリジナルのキャラクターによりテンポよく解説されます。
寝言や寝返りのこと、良い睡眠の効果や良い睡眠を取らなかった場合の影響など、生徒たちが関心のあるトピックが次々に描かれます。特にこの授業のメインテーマである「良い睡眠」により自分のベストが発揮できる、というメッセージを生徒たちは真剣に受け取っている様子でした。
「実は人生の少なくない時間を人は眠って過ごします。さらに、その眠りによって起きている時間のパフォーマンスが大きく影響される。自分の睡眠を考えることって、自分の人生を考える、つまりどう生きるかを考えることに繋がるんです。そのことを伝えたかった」
授業の後、堤先生に話をお伺いしたときに言われた言葉です。
「この授業の大事な目的は、生徒たちが自己実現や自己肯定について考えることなんです。小学生は割と◯◯になりたい! と素直に思います。また高校生くらいになると自我がちゃんと出来てきて、自分のやりたいことと出来ることについてしっかり考えられるようになります。その間にある中学生の年代って、自己肯定がけっこう難しいんですよ。だからこの教材に込められた『良い睡眠』はなりたい自分になるために必要なもの、という具体的なメッセージはとても重要なんです。自分や命について見つめ直すカリキュラムの一環として『睡眠の大切さ』を取り上げることは、とても意義のあることでした」
最後に堤先生が「9時間寝れてるひと!って私が聞いた時、パッと数人の子が手を挙げましたよね? 実はクラスで優秀な子たちなんですよね。そういうのみんな気づいてくれるかなあ、そういうことに気づいてほしいなあ」と言われたのが印象的でした。

井上さんも参観に同席しました